連休は地図上でFF三昧

早いもので今日から5月が始まりました。世間は大型連休の真っ只中、しかも概ね好天が予想されているとあって、あちこちお出かけになっている人も多いことでしょう。私もせっせと釣りに出かけたいところですが、知人の見舞いがあったり、家族間でクルマの奪い合いがあったりで、なかなか思うように事が運びません。

フライを巻いたり、釣り道具のDIYに勤しんだり、渓流での写真を整理したり…家で中途半端に時間を持て余すと、なにがしか釣りに関わることを手がけてアームチェアフィッシングに浸ることとなります。そんな中でも、つい夢中になってしまうのが、地形図を片手に自分の足取りや眺めた景観を脳裏に再現する“釣行リプレイ”です。我ながら地味だなぁ(笑)。

個人的にホームリバーとしているのが鹿留川。国土地理院の2万5000分の1の地形図では「御正体山」(下流域の一部は「都留」)で、昭文社の「山と高原地図」では「富士山」でカバーされています。最近だと国土地理院の「電子国土Web」もよくできていて、紙の地図を買わずとも目的エリアの縮尺を自由に変えながら眺めることができて便利な時代になりました。

2万5000分の1の地形図を携行する時は、防水袋に入れてベストの背中に収容しています
登山でも人気のエリアへの釣行では、このタイプの地図も便利です

小さな落ち込みや瀬が連続する山岳渓流の場合、目の前に次々と現れるポイントを攻めることばかりに意識が向いて、一連の川のどの辺りをどのぐらい釣り上ったのかを把握できていない(そもそも知ろうとしていない)ってなことがよくあります(私だけ?)。入渓も退渓も毎回ほぼ同じパターンを繰り返していては、他のエリアの可能性に気づかずじまいなのではないか。せっかく年券を手にしたのだから、鹿留川全域をもっと知り尽くそう──そんな思いが湧いてきて、今季は意図的に地図を広げるようにしているのでありました。

そういえば、以前はGPSロガー(単体製品デジカメの付属機能)で行動範囲を把握していたこともあったんだけど、すっかり使わなくなっちゃったなぁ。ここんとこ、釣りそのものに前のめりになりすぎて、マクロな視点で楽しむことを忘れかけていたのかも。いかん、いかん。

地図に青色で描かれた川をじっくり眺めていると、堰を示す地図記号や、川と林道が交差して橋がかかっている個所、小沢が注ぎ込んでいる合流点なんかがきっかけになって「あ、あそこね」と、記憶の中の(あるいはデジカメで撮影した写真の)風景と地図上の1点を結び付けることができます。「ってことは、入渓したのはこの辺りか」と、当日のおおよそのスタートポイントも判明。

そこで、あらためて釣行リプレイの開始です。ルートを辿りながら「ここは確かに河原が開けていたんだよな」とか「川が大きく右に曲がって林道から離れたのはこの辺りか」などと、地図と脳内の情報が噛み合ってきたらしめたもの。点と点がつながり、当日見た風景が次々に脳裏に蘇ってきます。「あ、ここのどん詰まりでフライに出たのにバラしたんだよなぁ」という詳細がリンクしてくることも。で、最後には脱渓した場所にも目星が付きます。

地図の片隅に記載されている縮尺情報を参考にしたり、マップメジャー(キルビメーター)を使ったりすると、歩いた距離にあたりをつけることもできます。ガッツリ行った過去の例に当てはめてみると、5〜6キロは釣り上がっていることが分かって我ながら驚きました。復路の林道トボトボ歩きも含めると10キロ以上ってことか。翌日以降に足腰が筋肉痛になるのは、体力の衰えだけじゃなかく、歩き過ぎが一因だったのかも!?

かなり前に購入したHOHER BERGのマップメジャー。誤差はあるけど、おおよその移動距離を知ることができます

その昔にイワナを釣った記憶があり、今なお流れている沢が明示されていないこと。とある二股で、その水勢から本流筋だと思い込んで進んだのが実は支流だったこと。──鹿留川での釣り体験を地図に重ねて気付いたことは多々あります。何よりも、上流域には、まだまだ竿を出したことのないエリアが広がっているという現実を知って、今季こそはもう少し新規開拓に努めようと決意した次第です。

とはいいながら、せっかくのGWはヤボ用山積みで、じっくり出かけるのはかなり厳しいのが現実。目下のところカレンダー通りの出勤予定だし、連休後半の3〜7日に終日フリーのハッピーデイはございません。唯一のチャンスとして、明日(2日)の平日に、たまりにたまった有休取得を企んではみたけれど、打ち合わせと称する宴席をねじこまれ、つい先程、あえなく玉砕したのでありました。

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