釜炊き三昧な日々

とある百貨店の調理道具売り場で、見慣れない炊飯釜に目が留まりました。「かまど+羽釜」という往年のスタイルを現代風にアレンジしたその製品は、UMIC(ウルシヤマ金属工業)の「釜炊き三昧」。ガスレンジを使って、美味しいご飯を炊きましょう!っていうコンセプトのようです。

釜の本体はアルミ鋳造で底厚があるしっかりした造り。ステンレスのフタはずっしりと重い。はかま状の専用台は、ムダやムラなく熱を釜に伝える効果があるんだとか…。なんか良さげです。

これを見て真っ先に思ったのは、「アウトドアで使える!」ということでありました。釣行時、時間と場所に余裕がある時は、広場にキッチンセットをデーンと広げて食い気に走る当メンバー。ツーバーナーの上にこいつを設えれば、真っ白ご飯だけじゃなく、山菜やキノコ、時には釣果も交えながら季節ならではの炊き込みご飯を堪能できるのでは…。たくましく想像が広がります。

さすがにその場での衝動買いには至りませんでしたが、脳内の“ウィッシュリスト”にしっかりと叩き込みました。数日が経って少し冷静になったタイミングでも、やはり気になります。製品の仕様とか評判などを、もうちょっと調べてみようとオフィスでネットを巡っている時のことでした。どう見ても仕事と関係ない釜の画像を画面一杯に表示している私に対し、右隣に座る女史が声を掛けてきたのです。

  • 「さっきから何見てるんですかー」
  • 「いや、あの、ちょっと気になる製品があってさ…」
  • 何なら、貸しましょーか?
  • 「はぁ?」
  • 「私、それ持ってるんすよ。アハハ」
自宅に届いた「釜焚き三昧」。ずっしりとした重みがあります

料理(道具?)好きの彼女が、色々な鍋類を買い集めている話は聞いていましたが、まさかこんなものまで持っていたとは。しかも、2合/4合/6合と3つあるモデルの中で、買うならこれと思っていた4合とのこと。ドンピシャです。「とにかく使ってみて下さいよ」との優しきお言葉に甘えることになり、数日後には宅配便で我が家に届けられたのでした。

──実際に使ってみたのは、小菅村の管釣りにいつものメンバーと出かけた時のこと。午前の釣りを終えた後、「イワナの炊き込みご飯」にトライしたのです。って、手を動かすのはヒレピン子とジーザスが中心で、私は途中で醤油を垂らすぐらいのことしかしませんでしたが…。という訳で、私には当日の詳しいレシピは分かりません。

この釜の上限である4合の米を投入し、さらにたっぷりの具材を詰め込んだためフルフル状態となり一抹の不安も。でも、ふつふつと煮立ち、重いフタとの隙間から湯気が漏れ始めると…空腹感を増長する香ばしい薫りが辺りに漂います。ノドを鳴らしつつ、しばし蒸らしの時間帯。そしてついに、皆で顔を寄せ合った先で、フタが開けられました。炊き込みご飯、完成です。

小菅村に出かけた際につくった「イワナの炊き込みご飯」。美味なり

最初にしては、首尾よくいったんじゃないでしょうか。イワナをほぐして具材と共にかき混ぜると、中心部はふっくら炊き上がり、釜肌近くにはうっすらお焦げもできております。

一同、お椀に盛って食らいつきました。旨いであります! いつもアウトドアで食べると味が“一翻増し”になることは実感しておりますが、この絶妙なご飯の加減はきっと釜の実力に違いない…と、私は大満足。事実、その後に自宅で何度も使いましたが、やはり米の本来の旨みが引き立つように思います。いや、ほんと。あ、そうそう、ネット上には、こんな熱心な方のレビューもありました。

まだまだ使いこなせていませんが、3合ぐらいを炊くのがちょうどよい感じです。鶏めし、キノコめし、鮭めし…。そうして、文字通りの“釜炊き三昧”な日々が続いているのでありました。


【2016.9.30 追記】
最近またこの記事が読まれているようなので、こちらにも追記しておきます。
初期型の「釜炊き三昧」にリコールが発生している模様です。
詳細は下記メーカーサイト・消費者庁サイトへ。

UMIC : 釜炊き三昧に関するおしらせ
UMIC : 釜炊き三昧 ご使用上の注意
消費者庁リコール情報サイト

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