クリップルパターン

今シーズン、新たに先発ローテーションに組み入れてみようかなと思っているフライに、クリップルパターンがあります。通期の手堅いレギュラー陣としては、ごく普通のパラシュートやソラックス、エルクヘアカディスなどがあって、それに準じる位置づけで先日はコンパラダンを巻いてみました。そんでもって、クリップルダン?も一線に加えてみようかと。

元々は、羽化しようと(そして時にはうまくいかずに)半ば抜けかけたシャックを引きずったまま水面でもがくカゲロウの姿を模したパターンだったと記憶しています。ハッチが盛んな川を観察すると、首尾よくいかずに漂っている姿が結構あるんだとか。彼らにとってはまったくもって無防備な状態であり、その瞬間を見逃さずにお魚さん達は「いたたきまーす」と行動を起こすのでしょう。

クリップルにまつわるそんな話を見聞きしていたこともあり、個人的には流れが穏やかなフラットな場所におけるライズ狙いの弾という印象を持っていました。しかしながら、時折立ち寄ることのあるショップのスタッフ氏が「いやいや、渓流域の釣り上がりでも十分効果がありますよ。水面下にぶら下がる構造だからか、フライに出た時の吸い込みもよい気がします」とおっしゃいます。魚からは、溺れかけて半沈状態で流れてくる種々雑多な虫として見えるのかもしれません。

へぇへぇ、そうなんだ。じゃあ、ある程度ストックして試してみようかな。そう考えた矢先、たまたま買ったFlyFisher20174月号の中に「水面直下の万能力クリップル使いになる」という記事があって、にわかにマイブームが加速。さらには、ずいぶん前に手にしたDVDレネ・ハロップの伝承」で娘のレスリーさんがLast Chance Crippleをタイイングする映像を見直したら、何やらすごく釣れそうなフライに思えてきたのでした。はい、元来、感化されやすいタイプなのです。

FlyFisher誌の中にあったクリップルの記事
ハロップファミリーによるタイイングDVDにもクリップルパターンが

というわけで、あり合わせの材料で巻いてみました。初めてなので、やはり上手くバランスがとれません。シャックが目立ち過ぎたりハックルが暴れたり。加えて、どうしてもウィングがアイぎりぎりに寄ってしまい、ティペットを結ぶ時に苦労しそうです。それでも、マテリアルの種類を変えながら何本かは完成。頭に描いていたイメージと違ったりもしますが、ま、いいか。

あり合わせの材料で巻いてみたクリップルダン?

思い通りの姿勢で浮かべられるかどうかも、まだ定かではありません。水面下に入れたい部分はしっかりと濡らし、そこ以外にフロータントを施すのが基本なのでしょう。にしても、元々のフライの出来ががよくないと安定しないのは確か。人が巻いたそれとは異なって、釣れそうな雰囲気がにじまない我がフライ。その雑さ加減が、かえって虫としての生命感を醸し出さないものか。期待値はそこにしかありません。

他のスタンダードパターンと一緒にとりあえずはフライボックスに

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