鶴川ヘビーローテーション

12分の5──。今シーズンの釣行先を(期中ながら)振り返ってみると、実に半数近くが鶴川なのでありました。東京からの日帰りをメインとする中で、従来は丹波川や鹿留川へ向かうことが多かったのに、昨年あたりから急に鶴川の存在感が増しているのです。

つい足が向いてしまう理由の1つは、アクセスの良さ。拙宅から最寄りの調布ICから上野原ICはあっという間だし、高速を下りてからも、さほど走らずに川にたどり着けます。帰途の中央道は小仏トンネルを先頭とする渋滞が茶飯事だけど、上野原ICからなら、さほど苦になりません。

川幅は総じて狭いのですが、小さな落ち込みと瀬が連続して適度に変化があり、個人的には飽きない渓相です。生活ゴミでがっかりすることもないしね。通い詰めるごとに、駐車スペースや入渓路を新たに発見して、その日の気分や先行者の有無などで、いくつかのエリアを釣り分けられるようにもなりました。あ、入漁券が安い(日釣りの前売りで800円)ってのも魅力かな。

肝心な魚はというと…。これまでの実績に照らすと、サイズは望めないようです。相手をしてくれるのは、危険知らずの幼いヤマメが中心。賢さを備えながら20cmを超えるほどに成長したものは、そうそう掛かりません。ってな訳で、体躯ががっしりした魚の引きを味わうならば、奥深い別の川に行くのがお勧めです。一方で、不調続きでリハビリしたい時などは、ほどよい川のように感じます。

◇ ◇ ◇

トホホな釣りが2回続いただけに、9月6日の鶴川は「1匹でいいから何か釣れてくれ〜」の一心でスタートしました。使うフライは、夏仕様の黒っぽいソラックスパターンや、先般初めて巻いたライツロイヤルが中心です。

比較的反応がよかった黒系のドライフライ
比較的反応がよかった黒系のソラックスパターン

とある集落の脇から入渓しての釣り上がり。しばらくは、苦手な左岸からのオフショルダーキャストを強いられる渓相です。うまくラインをコントロールできずに苦慮するさなか、心優しき鶴川の魚はフライを咥えてくれました。久々にフッキングし、ネットに収まったのはジャスト20センチのヤマメです。

久々にドライフライで釣れたヤマメ
久々にドライフライで釣れたヤマメ

釣り人っていうのは我儘なもので(オイラだけ?)、「早々に釣れちゃって、今日はサイズも数も伸びるんじゃない?」なんて邪な気持ちが芽生えてしまうのです。ところが謙虚さを失った途端に17cm、14cmとサイズダウン。午後になると、反応もまばらになってしまい、結局は掌大オンパレードの1日となりました。

それにしても、「喧騒離れた渓でロッドを振っているだけで満足」なんて強がり吐くより、小さくとも“釣れる”方が心身ともによっぽどリフレッシュできることを実感した次第です。

さて、次はどこへ気分転換に行くか。日川でいつもお世話になっているオバちゃまに逢いにいかねばならないし、鹿留川の清冽な流れ以上に魅惑的な“ふじや”のトンカツも食いにいかねばならぬ。仕事よ来るな。台風よ来るな。──残業帰り、夜空に浮かぶ月を眺めながら願ったのでした。

ライツロイヤルにも初めて釣果がありました
ライツロイヤルにも初めて釣果がありました

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