哀愁の鶴川

台風18号の影響で、地域によっては「不要の外出は控えましょう」と叫ばれていた先の3連休。関東甲信越では、16日の土曜日は何とか小雨程度で済みそうな気配だったので、いつものメンバーで釣りに出かけてきました(結果的に、18日の敬老の日は青空だったけれど、どこも雨後の増水&濁りだったようです…)。

釣行先はアクセスが楽な鶴川です。それなりの人気河川ですが、棡原〜西原あたりを巡れば、どこか入渓できる場所が見つかるのが毎度のパターン。そもそも時間が限られていたり、雨による早期撤退が見込まれたりする時などは、つい足が向いてしまいます。

最初は、ゆずりはら青少年自然の里の近くにクルマを停めて、周囲の様子を伺ってみることになりました。予想通りに渋い展開。ドライフライにアタックしてくるのは手のひらサイズのチビヤマメばかりで、ある程度の大きさのものは、相応にスレております。

鶴川の中流域。この日はフライへの反応が乏しく、釣れてもチビヤマメでした

「今日は総じて沈み気味だな。忍耐力がないと奥のは引き出せないよ」とは、途中で出会った地元のエサ釣り師さん。自慢げに見せてくれたクーラーボックスには、8寸超えのヤマメやニジマスが横たわっておりました。このように良型も潜んでいるのは確かなんだけど、どうにもこうにもドライでは太刀打ちできません。

小雨模様となってきたので一旦集合し、コンビニおにぎりを頬張りながら、その後どうするかを相談です。雨脚が強まりそうな予感があったので、とりあえずは小和田大橋あたりまで下って竿を出すことにしました。途中で雨天中止となっても、ここなら上野原ICが近くて帰りが楽という思いからです。

ところが移動した先は、ほとんど生命反応なし。一同、表情が冴えません。最後になにがしかの良い引きを味わってから帰途につこうという魂胆だったのにアタリが遠い…。というか、途中からは釣れる気すら全くしなくなりました。誰か1人でも竿がしなればモチベーションも上がるのですが、静まり返ったままです。

さて、どうしましょ。ここまで来たら、これまで竿を出したことのない本流近くをトライしてみますか。半ば諦め気分で最後の悪あがきです。山の上古墳がほど近い鶴川橋の脇に駐車して川に下りてみると…思いの外、水量が少なめですね。近くにいた鮎釣りのオジサンに様子を聞いてみると「ヤマメを狙うんだったら、もっと上流だな。このあたりじゃアユ狙いの釣り人しか見かけないぞ。ま、何事もやってみないと分からないけどな」ってなお話でした。

小雨がそぼ降る中、ロッドを手にやや上流に歩を進めると、ライズリングと思しき波紋が広がるのが目に入りました。おお、千載一遇のチャンス到来か? 新しいEHCに結び替え、ティペットもチェックして、慎重にキャスト…首尾よく狙った場所にふわりとフライが落ちた直後、すんなりと出ました。よっしゃ〜と心の中でガッツポーツをしたまでは良かったのだけど、足元に寄ってきたそれは…何とウグイちゃん?でした。ぬか喜びってやつです。

鶴川の下流域ではこいつが入れ食いでした

その後も釣れるわ釣れるわ。しばらくはワンキャストワンフィッシュってな塩梅でウーさんが顔を出します。まぁ、面白いといえば面白いのだけど、飽きるのも早い。見える範囲に散ったメンバーの様子を伺っても、釣れてくるのはヤツばかりのようです。とりあえず、ロングキャストの練習と割り切って遊んだものの、一抹の虚しさもこみ上げてきます。せめて尺近い大物でも出ればメリハリがついたかもしれないけれど、そうは問屋がおろさず。やがてまた雨が強まってきたのを合図に全員が入渓点にリターン。誰とはなしに竿をたたみ始め、終了宣言となったのでした。

この日は、ヒレピン子が皆が見ている前で8寸超のヤマメを釣り上げたのが一番の見どころだったかな。にしても、一日を通してみれば釣果が冴えなかったということが影響したのか、もう今季も終わり間近だということがそれぞれの頭をよぎっていたのか…。帰りのクルマの中は、いつになく口数が少なく、哀愁ムードが漂っていたのでありました。

今季はあと何回行けるのか。そう考えると一抹の寂しさが…

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