雨に祟られた鹿留釣行

会社勤めの身にとって、週末のみがお出かけのチャンス。とはいえ、今年は突発的な仕事や家族案件などが私に割り込むことが多く、丸一日フリーにできない状況が続いておりました。しかも、その予定がかなり流動的で、当日ぎりぎりになるまで行動計画が組めないのです。結果、当HOOKCOOKのメンバーによる釣行はなかなか具体化せず、しばし間が空いてしまっておりました。

諸条件が整って、久しぶりに4人で出かけたのは827日のこと。朝6時に三鷹駅前に集合した時点では行き先が決まっていませんでしたが、もし天気予報通りに空模様が怪しくなっても雨を凌げる場所に心当たりがあったことから、鹿留川となりました。釣りをしている時ならまだしも、皆でランチを食べる時に雨ざらしになるのは避けたいですからね

相模湖ICあたりではワイパーをフル稼働させるほどの雨だったけれど、都留ICで下りて鹿留林道にたどり着く頃には何とか止んでくれました。先行者と思しきクルマの横に構わず駐めて、準備開始。ともかく本格的に降りだす前に、釣りに興じたいという気持ちが先走ります。1130分までの3時間を午前の部に充てることとして、実釣スタート!

カーブドフックに巻いた半沈パラシュートで、これまで実績のあったポイントを中心に探っていきます。──時々、フライを追う姿が見えるものの、そう簡単に口を使ってはくれません。良型ほど神経質になっているようで、直前でUターンというもどかしい展開ばかりが続きます。何とかフッキングできても、せいぜい1819センチどまりってところ。やはりは、サイズと賢さは比例しているようです。

まだ本降りとなる前に釣れた鹿留川のヤマメ
まだ本降りとなる前に釣れた鹿留川のヤマメ

それにしても、ここんところの雨で一時の超渇水状態を脱したからには、もう少し活性が上がってよさそうなものだけど。そんなことを考えていると、脇の林道をルアーロッドを手にした二人組が下ってきました。もしかすると、彼らが一通り攻めた後だったのかもしれません。さらにテンポを上げて釣り上がって行くと、先行するフライマンの姿も確認できました。う~む、そうですか。これは場所を大きく変えるしかありません。

一旦、脱渓して林道を歩き、二段堰堤の上に入ってみることにしました。長いチャラ瀬の奥にある流れ込みは好ポイントで、これまでも何度か良型を掛けたことがあります。そ~っと近づいて、やや遠目からキャストおおっ!浮いてきた喰えっ喰った! ──ジャストタイミングで合わせたはずなのに何故だかスッポ抜け。グンとした重みが竿に乗ることはなく、リーダーから先が後方の樹の枝に複雑に絡んでしまいました。フライが完全に消えるのを見て合わせたのになぁ。フッキングしなかったのは、今でも腑に落ちません。しかも、グッドサイズだった

鉤に触った感じではなかったので2度目もあるか!? 枝に絡めてグチャグチャになったリーダーとティペットをゆっくりと交換しながら間を置きます。10分ほどして再トライ。 慎重にキャストしてみると出たっ! けど、違う! 掛かったのは20cmに届かないヤマメ。君じゃないんだよなぁ。その後、その場所では何事も起こりませんでした。未練を残しつつも諦めるしかありません。さらに100mほど探ったところでランチの集合時間が迫ったので、とりあえず川を上ることにしました。

集合場所までは15分ほど林道を下る必要がるので急ぎます。途中、左手にあるログキャビンを通りかかった時、何やら動く物体が視野に入りました。つがいの野鳥か? 遠目にはニワトリにも見えるし、カモのようにも見えます。視力がついていかず、よく判りません。皆を待たせるわけにいかずその場をやり過ごしたものの、気にかかる。何だったんだろう?

 ◇ ◇

天岩橋まで戻り、これからランチというタイミングで雲が厚くなってきました。一旦はその場でテーブルなどを広げたものの、あまりにも上空が不穏なので、前述のログキャビンまで移動することに。いざとなれば屋根下に避難できるというのは心強いっす。でもって、本当に大粒の雨が降りだしてしまい、ログキャビンに駆け込んだ我々は、作りたての麻婆丼を頬張りながら天候の回復を待つこととなりました。ちなみに、私が先に見かけた謎の生物は姿をくらましており、正体を突き止めることができずじまい

ランチを済ませ片付けが済んだのは14時ころのこと。空は幾分明るくなってきたのに、雨は一向に止みそうもありません。潔く撤退するのも有りなんだけど、この時に誰しもの頭にあったのは、鹿留釣行のもう一つの楽しみである「ふじや」はどうなんの?ってこと。ジーザスが前に書いていたように、ここのトンカツ定食は絶品で欠かさず立ち寄るようにしています。しかしながら、夜の部は17時からであり、今、帰途につくとスルーするしか選択肢はありません。そりゃないぜ~。

レインジャケットを着込んだブッダが川に向かったのを機に、残る3人も心を決めて釣りを再開することにしました。私はちょっとの間、ジーザスとヒレピン子の間に立って、脈釣り(餌はイクラ)の反応をうかがわせてもらいます。すると何ということでしょう。お二人ともペースよくヤマメを釣り上げているじゃないですか。雨にたじろいでいる場合じゃない、頑張ろうっと。

午後から雨脚が強くなり、ドライフライには厳しい状況に
午後から雨脚が強くなり、ドライフライには厳しい状況に

ドライフライではどうなんだろう。濁りが入り始め、水面も波立っているので、少しでも可能性がありそうな場所を探しての釣り。12番の目立つシルエットのフライを結んで流してみますが、うんともすんとも言わず芳しくありません。納竿時刻と決めた16時までの間、釣れたのはヤマメ1匹のみ。ニンフに替えたなら違う展開もあったかも知れませんが、この日は用意してなかったんだよなぁ。ともあれ、釣れたからよしとしますか。

激しい雨の中、ドライに出た貴重な一匹
激しい雨の中、ドライに出た貴重な一匹

釣りを終えて再びログキャビンに集結した我々は、雨に濡れた釣り道具を片付けたり、着替えたりしながら、帰りの準備。雨には祟られたけど、久しぶりのグループ釣行は、野外料理も含めてやはり楽しい一日でありました。さらに、この後、ふじやのトンカツ定食にありつけるのだから、気分も晴れやかになるというものです。しかも、そんなタイミングで、私が昼に見かけた謎の生物が正体を現し、4人はしばし心を奪われることとなりました。その詳細は、また別の機会にでも。あるいは、ジーザスからエントリーがあるかも知れません。雨の釣りといい、最後の出来事といい、強烈に印象に残る鹿留釣行でありました。

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