梨の礫<なしのつぶて>だった早戸川

神奈川県の早戸川に向かったのは春分の日のこと。案内してもらったブッダを除く3人にとっては初の釣行地となります。

中央道・相模湖東ICを下りて一般道を走ること30分強。まずは管理釣り場の「リヴァスポット早戸」に立ち寄り、受付で一般渓流の遊漁券(1000円)を購入しつつ近況を聞きました。スタッフさんによると、解禁前、林道の三日月橋より下流域に放流があったそうです。

三日月橋あたりから上流は、大きな岩が点在して山岳渓流っぽい雰囲気に。我々はこの橋から300mほど上に車を停め(2台ぐらい停められるスペースがあった)、そこを拠点に昼までを過ごすことにしました。随所に入渓できる踏跡があって、親切にもガイド用のロープがくくりつけてある個所もあります。

概ね晴れて水温6℃。淵と瀬が連続する変化に富んだ渓相はとてもいい感じです。この日はテンカラに徹するというブッダと底石をひっくり返してみると、ヒラタっぽい川虫がそこそこの大きさに成長しているのが確認できました。ロッドを継いでリールをセット。巻いてきたニンフのあれこれを結び終えると、心身共に自然に前のめりになります。

──と、気分が高揚していたのはせいぜい最初の1時間くらいだったかな。期待とは裏腹に、まったくもって反応が無いのです。アタリらしき感触とか、岩陰に逃げる魚影とか、「あ、いるんだな」と実感できる出来事がないまま、いたずらに時間が過ぎていきます。結局、午前は全員総崩れ。たまたま居合わせた他のフライマンとかエサ釣り師に尋ねても一様に「毎年はこんなはずじゃないんだけどなぁ」と首を傾げています。

ランチを挟んだ午後は、管理釣り場~三日月橋の中間域にある開けた平瀬ゾーンに場所を変えてみました。ここでジーザスが20cm台前半のイワナを釣り上げましたが、他のメンバーは相変わらず沈黙状態。おかしい…。いつも好成績のヒレピン子すら手こずっている様子です。

さらに夕方になって、管釣りよりも下流の早戸川橋~堰堤のエリアに変更。再びジーザスがニジマスをヒットさせるも、他の3本のロッドはピクリともせず…。で、結局はこのまま納竿という悲しき展開に終わりました。

お魚さんはいずこ? 解禁直後からのハイプレッシャーで既にスレきっていたのでしょうか。それにしてもアタリくらいはあってもいいのに…。渓魚労働党の春闘ストライキか、お彼岸ゆえ先祖を偲んだ断食日か。そんな妄言も口を突くほどに手応えのない1日なのででありました。

渓相はいいし、過去には大物をしとめた釣果報告の数々もあるし…。もう少し暖かくなったタイミングで是非ともリベンジしたいところです。とはいえ、釣行先の候補って、第一印象にも大きく左右されるんだよね。今季2回めは果たして実現するかどうか。

新調したラインに魚信が伝わることはついぞありませんでした

「梨の礫<なしのつぶて>だった早戸川」への1件のフィードバック

  1. 自己レスです。その数日後、いつもの居酒屋で反省会をしている時に話題に上ったんだけど、我々が釣りをしていたエリアに「カワウ」の姿があったんですよね…。魚影が異常なまでに薄かったのは、まさかこいつのせいじゃあるまいな?

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